日産株主総会見聞録2019「利益に合わせ、役員報酬を1/8にせよ」株主から指摘された西川社長

マスコミが注目する日産自動車の株主総会。
私は大の日産ファンとして三年前から総会にいき、ブログでも報告をしている。

受付を過ぎると、日産ファンにはたまらない車の展示。

定刻10:00に西川社長の挨拶と監査報告がなされ
10:07～10:37まで西川社長が事業報告にて売上、営業利益、純利益の下落により株の配当を57円/株から40円にすると告げた。
ガバナンス改革、事業改革、組織改革の説明に続き、自身の過去の責任と現在と将来の責任を語ったが、カタカナ連呼が減っただけで内容は臨時株主総会とさして変わらなかった。

10:38-10:41会社提案の議案を説明し、10:42～質疑応答に入った。

質問希望者は質問券を10:00までに受け取り、指定席につく。
ここ三年は25-30人程度の希望者だが今回は83名。質問者は例年抽選で7名程度だが、今回は先着順の23名。

車メーカーの株主総会なので、車好きな方、技術面にも詳しい方がいる。展示もあり、可能なファンの方は是非足を運んでほしい。

ご高齢の方で１人三分二問までというルールを破り、演説会になる方もいて失笑や時には「長い！」と批判がとぶこともあった。

日産を真剣に考えていると印象に残った質疑応答をいくつか紹介したい。
（内容を変更せず、省略形で記載。→以降が経営陣からの回答。）

友人の従業員がパワハラにあっている。国際グローバルコンパンクトに加盟しており、人権、労働、環境について守ってほしい。
→人事から確認して対応。

との要望から始まった質疑応答。

日産自動車の株主総会は、株主総会に出席できない株主のためにも、未来の株主のためにもYouTubeにてリアルタイムで動画配信される。
これは、素晴らしい対応で、今後も是非続けてほしい。

質疑応答のい中盤には、
ゴーン体制での不祥事は、現行の取締役にも道義的責任があり、西川氏の解任動議。
→この場での解任動議は受け付けられない。

巧妙で気がつかなかった、ショックだった、過去の責任もあるが現在と将来の責任もある。
という冒頭の挨拶、先日の臨時株主総会の西川社長の話では、納得できないという株主の声だった。

新任の外人取締役ハウス氏についての役割は？
→元レースクイーン・暫定指名報酬委員会の委員長・井原慶子が西川社長に指名され返答。

ソニーなどでの新規テクノロジーの経験、イギリス人でも日本語も話せ、日本文化にも精通し、日本の会社組織を理解している。経験と見識にすぐれた人物。

ゴーン氏はこうした理由で日産に招致されたのでないのか！

外国人コンプレックスから脱皮すべきだ。日産にもいい人材はいるだろう。

ルノーに技術提供したコスト回収はできているのか、
日産は日本の企業で、ルノーに資本的に無理強いされているのではないか、
との心配の声も株主の質問で複数でたのに指名委員会の井原委員長に株主の声は届いていないらしい。

13:00になり、「あと二人」と西川社長が発言し、その後も経営陣への質問が続いた。

報酬について具体的な話が聞きたい。
同業他社のトヨタ自動車の純利益と比較して当社は1/8。トヨタのトップは三億円から鑑みても5000万円程度が妥当ではないか。
一般労働者からみて非常識な金額。
→西川社長2017年五億円。2018年はゴーン体制以降に一部自主返上して四億円。
2019年は半分返上を申し出ているが、報酬委員会に委ねる。

報酬委員会については誰がチェックするのか？
→返答なし

13:17質疑応答の終了を告げると、「修正動議」との挙手があった。
近くの会場係りが、該当者を見てインカムを手にしたが、議長は指名せず。再度「修正動議」は無視され、13:18に議決に入り、13:22に終了した。

質問に一方的に返答し、それに対して再度聞くことが出来ず株主を軽視している、との指摘もあったり
修正動議も無視する議事進行であったり、
多様な知見や経験などと抽象的な取締役の選任理由や高額すぎる報酬に疑問が残る株主総会ではあった。

しかし、YouTubeのリアルタイム配信や質疑応答に二時間費やす株主総会であることは素晴らしいと思う。

日産ファンとして、日産を真剣に考える株主に来場してもらい、質の高い株主総会になってほしいと願う。