年賀状が売れないのは当たり前!~販売ノルマに異議~
今日から12月。師走という名があらわすように忙しくなる。先月半ばより、喪中案内が届いたり、年賀状の街頭販売を目にする。寒い中、年賀状を街頭販売する意味があるのだろうか。郵政民営化以降一月以上も行われるようになった街頭販売だが、年賀状の販売実績は下降を辿っているそうだ。
当たり前だ。年賀状が売れないのは販売が問題ではない。需要が減り回復する理由がないからだ。
皆さんは年賀状を誰に出すだろうか。
我が家の年賀状の宛先を考えた。親戚、父は大半が仕事関係だったので定年後は半分以下になった。母と私や子供達は大半が友人だ。夫も仕事関係と友人で、サラリーマンにとって仕事関係の人に出すことが慣習のようだが、父と夫では枚数が全く異なる。メールで済ますから、という方もいるだろうがそれだけが年賀状を書かない理由ではない。
仕事関係の年賀状が減る理由
正規雇用は所属意識もあり、来年も仕事相手である確率が高いので年賀状を出す傾向が高い。しかし、派遣などの非正規雇用の場合はいつまでいるかも分からず、年賀状を送ることも送られることも少ない。
個人情報の保護の観点から社内名簿などもなくなっていたり、存在しても住所などの情報が記載されていないのだ。
友人関係の年賀状が減る理由
携帯電話やPCの普及によりメールで済ますケースが学生や若者に増加した。一時期は、12/31の24時前から1/1の0時半ごろまで携帯電話がつながりにくいほど、電話で一番に「明けましておめでとう」と伝えることが流行ったこともあった。文字を書くことが面倒な上、正直、年賀状の料金がバカにならないからだ。
個人情報の保護の観点から、幼稚園や学校の連絡網すらない。連絡はメールの一斉配信のため、親同士も個別に連絡先を交換しないと分からないのだ。子供も年賀状を出したいならば、学校で相手に聞いてくるか、近隣の学校に通学している場合は自宅に投函することになる。しかし、オートロックマンションの場合は部屋の番号に名前の表示がないことも多く、投函できず我が子はそのまま帰宅したこともあった。このようなハードルを越えねば小学生の年賀状を出せないのが現状であり、年賀状を出す習慣がつかないだろうと感じている。
それでも年賀状の販売ノルマを職員ごとに課したり、街頭販売をしている郵便局。販売方法が問題なのではない。年賀状が売れないのは、非正規雇用の増加と個人情報の保護だ。そして実質賃金の低下により年賀状に出費するのがつらい国民の懐事情だ。
郵政民営化という売国政策とデフレにも関わらず緊縮財政と増税をする政府の無能により郵便局の職員が苦しんでいるのを感じるとつらい。年賀状の街頭販売やノルマで苦労すべきは、郵便局を地獄に落とした故西室泰三や長門正嗣らだと私は思う。