遺伝子組み換え≠品種改良【新嘗祭も遺伝子組み換えの米になるのか】
遺伝子組み換えは最新式の品種改良ではないのか。そう思う方もいるかも知れない。企業もそう思わせたいのだろうと思える言動ゆえ、そのようなイメージを持つのも仕方のないことである。
しかし、根本的に異なるのだ。
品種改良の場合、寒さに強い品種Aとうまみ成分が強い品種Bを交配させ、寒さに強くうまみ成分が多い品種ABを作る。このような繰り返しをしてきたのが日本の主食の米であり、多くの農作物が新たな品種を生み出している。オレンジの自由化以降、壊滅を心配されたみかん農家と支える自治体は見事であった。壊滅の予想を覆し、温州みかんはより甘くなり、デコポンや清美オレンジなど様々な品種改良の柑橘類を世に送り出した。これらが品種改良である。自然界でも起こりうる交配の組み合わせに人間が手を貸しているに過ぎない。
片や遺伝子組み換えは交配によるものではなく、ある作物の遺伝子に別の生物遺伝子を埋め込むのだ。農薬や除草剤を散布し、それでも生き残ったバクテリアを遺伝子組み換えしたい作物に埋め込むのだ。バクテリアを埋め込まれた作物は農薬や除草剤に強くなる。強力な農薬を散布し、他の雑草が枯れてもその作物だけは生き残るということになる。雑草とりから開放されるものの、例えば自然界で稲の苗にバクテリアの遺伝情報が入り込むことはあり得ない。そのあり得ない肯定をへて生み出されたものが、遺伝子組み換え作物である。勿論、モンサント様はご商売のため種は1年のみ命で翌年の収穫に向けた種をとることはできない。強力な農薬が散布されたゆえ、雑草も生えてこない土壌で一般の種は育たず、モンサントの種を使い続けるしかないというシステムである。枯葉剤を作った会社といえばどれほど強力な農薬とセット販売されているか想像がつくだろう。
そして1990年ごろより行われた遺伝子組み換えの安全性は、未だ人体実験中ということも認識せねばならない。安全かどうか分からないので遺伝子組み換え作物の種の9割を保有するモンサント社の社員食堂では、遺伝子組み換え作物を使用していないそうだ。
この度、安倍政権は種子法廃止、農業競争力強化支援法を成立させた。都道府県は種や苗を管理する必要もなくなり、安く農家に提供してきた、日本の長年の知見が外資にもただで流されるのだ。
儲け優先の世界の種子ビジネスを見渡してほしい。私達の主食のお米の知見もモンサント、ローソン、パソナなどの儲けの道具になり、皇居で行われる新嘗祭ですら遺伝子組み換えの稲になるかも知れないのだ。規制改革会議は新嘗祭も、私たちの食卓も破壊する恐ろしい売国奴集団である。