珍百景になるか。『大人料金1000円の低いロープウェイ』~横浜散歩で驚いた~
観光立国をかかげる国によりそい、19万人をこえる住民投票要請の署名も10万人弱のリコール署名も無視し、カジノ誘致を強行する横浜市。
横浜の中心地・中区の関内駅の駅前にある旧市庁舎は、50億円の耐震工事の直後にわずか7700万円で民間に払い下げられた。
旧市庁舎にかわり、700億円かけて造られた新市庁舎をたずねるべく、桜木町駅に訪れた。
(JRの路線では、西区の横浜駅、中区の桜木町駅、関内駅、石川町駅・・・となる。)
新市庁舎は、みなとみらい線の馬車道駅とも直結している。
JR桜木町駅を背にして、右手に市役所へ直結の歩道橋がある。
左手には、ホテルや映画館などがそびえ立ち、左前方にはランドマークタワーがある。
その手前が工事中なので、気になり確認すると、
『都市型ロープウェイ』が建設中で、その入り口ということだった。
4月22日から桜木町駅からショッピングモールのワールドポーターズへロープウェイが運行されるとのこと。
「えー?!こんなに低いの?
横にある観覧車を見上げて、ワールドポーターズの二階の高さ?
下の遊歩道・汽車道をみるだけ?
赤レンガや大桟橋にも行かないの?」
日本2位の人口をほこり、首都圏のベッドタウンでもある、海と緑の街・横浜。
港町として近代化といわれる歴史と共に、新しいことを受け入れてきた町・横浜。
都市型ロープウェイって、何それ?
真横の観覧車をみあげて、海にもいけず、徒歩10分のショッピングモールに片道1000円使う?
夜のカップルだって、水辺にそう汽車道から観覧車を見上げるほうがロマンチックだし、
見晴らしなら、900円の観覧車に乗るか、足をのばして大桟橋だろう。
この大桟橋からは、夜はランドマークや観覧車のイルミネーションが絶景で、
晴れた昼間には富士山が望める場所でもあった。
が、新市庁舎の建設により、富士山は頭の一部のみが見えるだけになってしまった。
小さい子どもやご高齢の方もふくめ、ゆっくりと展望を楽しむのであれば、ランドマークタワーの71階に展望台1000円がある。
景観をぶち壊した新市庁舎も、ロープウェイと同様に残念なものだった。
肝心の市民が気軽に入れる感じではなく、警備員の姿が目立ち、受付でカードをもらい利用する形式。
働く職員の姿をみることはできない。
全国初の要塞市役所に驚いてしまった。
しかし、驚くのはそれだけではない。
都構想で全国に物議をかました大阪市に、横浜市も負けてはいない。
住民投票はせず、政令指定都市である横浜市を、行政サービスを削る横浜特別自治市にするそうだ。
二番煎じのような時代錯誤の市政や街づくり。
数々の歌に歌われ、映画のロケ地にもなってきたロマンチックでオシャレなイメージの横浜の風景がどんどん失われ、
まるで安い漂白剤で漂白されてるような感じを受けるのは、寂しい限り。
外人様においでいただくカジノやロープウェイ、
市民が相手のはずなのに、お土産物を売る『要塞の新市庁舎』、
住民サービスを切り捨てる横浜特別自治市。
憧れの街でもある横浜の迷走に、日本の没落を痛感し悲しい気持ちになった。