2017.10経営陣は高額報酬でお客様には無資格検査の車?【日産もグローバリズムの弊害】
無資格の検査が4工場で行われ、国内出荷をすべて停止した日産自動車。
一時期は経営が危うくなり、リストラなどで会社を立て直したゴーン日産。
今年6月の株主総会で、ゴーン社長はCEOに、社長には西川さんが就任となった。
ゴーンCEOの報酬は驚くなかれ10億円を3年連続ごえ
株主総会ではその理由の説明からスタートしたようなものだったが、利益を上げているのであれば問題視しない株主が多いようで、報酬については一言もなかった。
小学生の工場見学を実施するなど、地域ともつながりのある日産自動車だが、従業員にとっては心地よい職場ではないのも知れない。
ネットにて9月にこのようなツートがあった。
神奈川日産の整備士ということで19日勤務で、税金や保険をひいたのちの手取りは11万円だと給与明細がアップされていた。
Twitter投稿の写真ゆえ真偽の問題もあるだろうが、この金額をみれば、派遣勤務や契約社員勤務にて夏季休業の時期は生活もままならない給与しか手にできないということは分かる。
彼はTwitterに、日産に勤務してもこの給与では日産の車を購入することはできない。とつづっていた。
若者の車離れというが、車を買う余裕がないだけ、というのが現実なのだ。
切ないツイートで、ふと株主総会のことを思い出した。
質疑応答の際、意を決したように緊張気味に質問する方がいた。
彼仕事をは休んで出席した日産の従業員だということを告げて質問をした。(言い回しは内容を変えないよう浅野が省略形式で記載。英語を同時日本語通訳のため不自然さあり。)
従業員:役員報酬についてだが、ゴーン会長が多いのは、ルノーの完全子会社になったのではないか?
⇒ルノーの完全子会社という根拠はなにか。根拠はないだろう。
完全子会社というのであれば、220万台からグループで590万台という成長の好調はなかった。
パートナーのアイデンティティを尊重するのがアライアンスが成立すること。(つまり、完全子会社化を否定)
従業員:国内でのビジネスを重要視しているのか?
⇒昨年100万台で国内重視の方針は変えない。
増加を見込んでいるが、比率として輸出向けが多い。
日本からの輸出はグローバルの補完的な拠点としてもある。半分以上が国内向けというのが健全であり、国内販売の増加は至上命題だ。
リーマンショックや自然災害などにより、商品投入のタイミングがベストだったとは言えない。
今後も国内強化を目指し、準備して投入していく。
評価の高い、自動運転を想定して開発の新型セレナ、テストドライブでの購入率が高いEパワーのノート。
販売店改革として購入が来店10回程度から2回程度に変化している現状に待ちの姿勢ではなく、ショッピングセンターやモールに販売店を出店させたり地域特性に合わせて販売している。
販売店の顧客満足度調査3年連続1位。
私の感覚だが、国内向けの生産体制について疑問があり、質問したようであった。
質問の仕方も本人的には納得いかないようだったが、大人しく席に戻ったように私には見えた。(質問希望者は席が決まっており、私の席から質問者がよく見えた。)
日産に限らず、神戸製鋼の偽装納品も問題になっている。物づくり日本はどうしたのだ。
会社は株主と経営陣だけのものではない。あまたの従業員があってこそなのだ。
整備士をしながら車を買うこともできない給与、無資格で検査、彼らはどれほど精神的な苦痛を伴っているのだろうか。
10億円ごえの給与の際、優秀な人材確保のため取締役の報酬の予算を多くとりたいと話した日産の経営陣。
日々現場で働く従業員にはこの給与で自分だけ高額報酬とはどういうことなのだ。
労働者の給与確保、不正をせずお客様と向き合う。
当たり前の商売の原点に立ち返ってほしい。
労働組合、しっかりしろ!イデオロギー闘争などせず、給与と待遇を守る活動をせよ!
大手企業は史上最大の利益でも労働分配率は43%とは詐欺だ。
昔は7割ほどだったがアベノミクス以降、給与としてろくに出さず、内部留保と株主配当。
トリクルダウンはないことがアメリカで証明され、竹中平蔵も認めた(勿論、謝罪はしない)。
日本の株式の売買の7割は外人様。
日本の内需に貢献はしない方々ゆえ、労働分配率の改善を主張し、労働者の給与を確保する労働組合の活動はいまこそなされるべきなのだ。
グローバリズムだと偉そうに言う前に従業員にまともな給与を払い、詐欺をするな、恥知らず。
昨今の恥知らずな経営陣に私は言いたい。
写真:謝罪する日産西川社長