【保守王国・新潟県知事選】は反グローバリズムの勝利だ。
昨日、新潟県知事選の結果がでた。総理大臣の応援もむなしく与党は野党連合に敗北した。右翼系保守が負け左翼が勝利したという解釈をする人がいるが、私は左右だけではなく、グローバリズムと反グローバリズムの戦いであったと捉えている。勝手ながら、こう分析した。
1. 米どころで農業が盛んな新潟県はTPPを推進する自民党を支持できないであろう。産地の表記もTPPでは違反になる可能性が高く、到底受け入れられるものではないだろう。
2. 最重要課題だと選挙前は豪語したものの拉致問題に取り組む様子もない詐欺師ぶりに、横田めぐみさんをはじめ多くの犠牲者がいる新潟県が安倍総理に不信感を感じるのは当然であろう。
3. 移民推進を掲げる自民党の政策は、地理的に中国や朝鮮半島からたやすく移民が押し寄せる可能性を鑑みても拒絶されるだろう。
政治姿勢や思想を表す言葉に、右翼と左翼がある。これは対義語である。グローバリズムの対義語はなにか。反グローバリズムと表現されるが、対義語はナショナリズムである。地球単位と国家単位というのは対義語だが、ナショナリズムを国粋主義と混同しているようで、グローバリズムの対極がナショナリズムということを認識していない人が多いようだ。
日本の現在の政治はどうであろうか。右翼とされる(個人的には中道と認識しているが)自民党も移民推進のグローバリズム、中道の民進党もグローバリズム、左翼の社民党や共産党は勿論グローバリズム。日本は左右の選択肢はあるものの、グローバリズムとナショナリズムの選択肢はないのが現状である。議席がない小さな政治団体がナショナリズムの主張をしている程度である。
時代はナショナリズムであり、移民制限は差別でも排斥でもない。「ブリティッシュ・ファースト」と主張してイギリスがEUから離脱し、アメリカの大統領候補者もアメリカのことを最優先にする姿勢をみせている。グローバリズムからナショナリズムに世界は移行しているのだ。日本は逆走しているが、9割を超える国民が移民推進を希望していないであろう。すでに多くの移民がおり、これ以上の増加を望んではいないのだ。
このような、グローバリズム一色の現在の日本の政治のおいて、新潟県民が下した判断は左翼支持ではなく反グローバリズム支持と私は捉える。県民もグローバリズムと反グローバリズムの戦いとは意識せず、毎日の生活の照合して選択したのであろう。右翼保守が忌み嫌う共産党はグローバリズムの概念であるはずだが、不思議なことに日本共産党は反TPPである。その他にも、日本の食の安全保障について声を上げて活動するのは左翼である。私は、あえて言えば右よりだが反グローバリズムだ。今回投票できたならば米山氏に投票したであろう。移民推進&TPP推進よりも、反TPPを支持するからである。。国を開放せよと移民推進を主張する人は、自宅を他者に開放してから主張すべき思う。移民推進、門戸開放とはそういうことなのだ。
写真:デジタル朝日新聞より