老舗は信用の証
PCデポというPC関連の販売、サービス提供会社が高齢者に不要な契約を結ばせていたり、法外な解約金を要求するというニュースをこの数日インターネット上で目にする。
日本は100年以上の老舗企業が世界で1番多く、2番手に大きく差をつけている。お客様は神様、信用信頼を築くべく長期的な視野にたって商売をする姿勢に外国人が驚くという話も目や耳にする。これは大企業のエリートの世界だけではなく、ごく一般的な店舗でも信用第一の姿勢で日々の商売をしており、日本人にはごく当たり前と感じられてきた。
しかし、PCデポの件だけではなく、商売姿勢に疑問を感じる昨今に悲しい気持ちになる。
数年前、ベネッセコーポレーション(乳幼児からの通信教育を提供、しまじろうのCMなどで有名)は顧客情報を流出させた。通信販売の会社にとり、顧客情報はもっとも大切なものだが、同社は顧客情報の管理をアウトソーシングしており、そこの契約社員が情報を漏洩したという事件だった。これにより同社は対応に追われ、解約も相次いだ。経費削減のよる利益の捻出が顧客情報より重いという姿勢に顧客は離れていった。この信用を取り戻す対応が、500円のプリペイドカードが寄付の選択ができるということしか分からず、我が家は顧客情報の削除を選択した。顧客情報をアウトソーシングし杜撰な管理だったことを憤慨していることを理解していたとは感じられない対応に顧客になったことを後悔した。
責任をとる形で代表を辞任した原田氏は現在、ソニーの取締役である。ソニーは日本が誇る企業だが、取締役11名のうち2名が社外取締役。最近はヒット商品がないにも関わらず平井社長の年俸は7億円を超えている。技術のソニーがヒット商品も生まず、金目当ての取締役が大金を手にしているようにしか見えない。その7億円を技術投資すべきであろう。従業員を大切にし、技術投資をすべきなのに呆れる経営トップである。さらに株主も大切にせず、今年の6月は株主総会に足を運んだ株主へのお土産も懇親会もなかったそうだ。
この20年間デフレが続き、経営者はコストカットをし投資をせず内部留保の確保に邁進している。需要がなければ投資にふみきれないことは理解できるが、少子高齢化で労働者がへる今、人材投資は欠かせず一番早く結果がでる。設備投資もマイナス金利の今がチャンス。そして結果を出さない経営者に多額の報酬を出すぐらいなら、リスクはあるものの結果がでる可能性のある技術投資をすべきであろう。これがまともな経営者だと思う。
このような企業を政府は後押ししてほしい。国内に設備投資を続けたシャープを救済せず、海外に人材と技術を流出させた政府の対応は非常に残念であり、国益を損ねる無策だと思う。
デフレで民間が投資できない状況において、政府こそが唯一公共投資ができるのである。積極的に投資したことにより国内に利益をもたらす企業を見捨てることや、災害が相次ぐにも関わらず公共投資でインフラ整備や役所・病院の設備の点検・建て替えを行うことをしないのは無策ではなく愚策である。
東日本、九州の被災地や水浸しの北海道には出し惜しみ。日本国内には建設国債も発行せず、エジプトなど各国に資金提供。この度はアフリカに3兆円。
安倍総理はどこのトップリーダーだろうか?まずは自国を考える事が、どこの国であれトップリーダーであろう。被災者が生活基盤を取り戻す、災害に負けない国造りをすることが優先だと思う。また、災害時に必要なものはお金ではない、救援に迎える、物資を搬送できるインフラである。SOSと書いた文字のあとに粉ミルク、おむつ、水、食料を訴える光景をテレビごしに見た人も多いであろう。SOSのあとにお金と書いた人も訴えた人も見たことも聞いたこともない。緊急時に何が大切か、人命とそれを支えるインフラと人材である。トップリーダーは金の亡者でも他国でバラマキをする爺さんでは困る。当たり前の感覚で君臨してほしい。