内閣府という闇Vol.1【規制改革会議による種子法廃止】
第2次安倍内閣になり、頻繁に新聞にでる単語に内閣府、閣議決定、有識者会議、規制改革、ワーキンググループ・・・という言葉が並ぶ。
私の母親としての日課の1つは中学受験を控えた子供に新聞の一面をメインに今日のニュースを教えることである。小学1,2年生からはこども新聞を、それと並行し、小学五年生からは通常の新聞も一緒に読むことにしている。
試しに、訓練中の小学生の娘に聞いてみた。
「内閣府ってなんだ?」⇒「内閣の別の言い方。」
「規制改革会議ってなんだ?」⇒「規制って悪いんだよね。だから良いことだと思うけど。」
内閣総理大臣の諮問を受け、経済社会の構造改革を進めるうえで必要な規制改革を進めるための調査会議を行い、内閣総理大臣に意見を述べることを主要な任務として設置されたものが規制改革会議である。
そう言われても、ピンとこないかたもいるであろう。具体的に言えば、安倍晋三総理大臣が構造改革をするために意見を聞く相手を指名して、彼らが進言する。目的は構造改革であり、デフレでは需要を生まないのでデフレには無意味とノーベル経済学者からお墨付きを頂いたデフレ脱却に役に立つ改革。今までをぶち壊し、振興団体がそれにとって代わるためのクーデター。経済社会の構造改革はデフレ脱却とは無関係の安倍総理の趣味である。
具体的な一例を挙げる。国益にプラスかマイナスか維持か。皆様はどう感じるだろうか。勿論、この会議も無料ではできず、ボランティア精神とは真逆の方々だが、その点はおいて純粋に考えて欲しい。
内閣府法により誕生した規制改革会議が行った提案の1つが種子法廃止であり、その流れと現状を簡略的に提示する。(日本農業新聞を参照)
主要作物種子法(以下種子法)は国の基本的・基幹的な作物である、稲・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を国と都道府県に義務づける法律。
⇒廃止されると、日本が太古より積み上げてきた稲作の技術の結晶である種子が、外資規制すらなく民間の金儲けの道具になる。
種子法廃止により、遺伝子組み換え策蜜の種子を扱うモンサントに狙われることは火を見るよりも明らかで、モンサントは自社の社員食堂では遺伝子組み換え策蜜を使用しないが安全と言い張っている。つまり、1990代からの人体実験中で小麦は行っていないようだ。
①昨年9月頃、規制改革会議が廃止を提起。
②種子法の役割や廃止理由の議論を重ねず、今年の3月23日に農水部会に提出され、わずか一日で廃止が決定。(共産党以外、賛成。自民党の農水部会は小泉進次郎ら。彼は志願して農水部会のポストを連続務めている。)
③来年3月末で種子法が廃止される。
わずか1年半、国会での議論もなく、規制改革会議が提唱して半年で廃止が決定されたが、新聞やTVの報道もごく一部で国民の多くは知らない。今年の3月に種子法に代わる法案を作るべく、『日本の種子を守る会』が発足し、法案を作成し、現在署名活動をしているがこちらも多くの国民は知らない。
この種子法は一例に過ぎないが、皆さまはご存知だっただろうか。毎日の食卓の問題が、国会で議論すらされるに1日で廃止される。私は2点を問題として列挙する。
①スピーディーだが、規制改革会議は国会議員ではなく、安倍総理大臣のご指名の諮問機関にすぎない。竹中平蔵らが現在のメンバーだが、国民は彼を選ぶことも、拒否することもできない。民主主義に反した存在である。
②税金をかけて歴史をかけて命の源たる種子の技術や知見が外資をふくめ民間に流出になる。それは国益にプラス?マイナス?維持?私はマイナスと断言する。
ゆえに、私は内閣府の闇の1つとして、規制改革会議の種子法をあげる。
写真:小泉進次郎(衆院東日本大震災復興委員会:産経新聞4.27より)