フジテレビ・日枝会長と亀山社長の引責退任~昨年の株主総会をふりかえって~
昨日、先日の亀山社長の退任のニュースに続き、日枝会長の退任ニュースが飛び込んできた。来月末は多くの企業の株主総会がある。昨年のフジテレビの怒号が飛び交った株主総会を懐かしく思いだした。
昨年6月28日定刻10:00の開始と同時にヤジがとび、撮影禁止のボードを無視して幾度となく取締役をカメラ撮影しつづける男性に少し恐怖を感じながらの株主総会スタートとなった。冒頭からヤジと撮影をする男性は産経新聞の元組合員ということで22年間闘争しているとのことだった。あれた始まりの株主総会では修正動議と怒号がとび13:30ごろ質疑応答が打ち切られたが、半数以上が退席する落ち着かない株主総会であった。
日枝会長へのクレームが半数以上しめた総会であったが、フジテレビの内容についての質問が女性からあがり、退任予定の亀山社長が返答していたので紹介したい。
女性A
ゴールデンタイムは、家族で視聴する時間帯だと思います。最近のTVは画面が汚く、文字がペタペタはってあり笑い声が大きい。画面での美術がパチンコの台みたいで汚い。美術や構成編集の担当になると思うが、どのような人材を採用しているのか。
人と人をつなぐメディアと発信しているのだから、これらをまともにして家族と家族をつなぐメディアであってほしい。
返答⇒文字はテロップで、笑い声などのノイズは迫力をだすため。美術は美術系の学校出身者を採用、
構成編集は文系理系区別なく一般の学校の出身者から適正で採用。
女性B
かつての月9ドラマは30-40%の高視聴率をとり、女性はその日は寄り道もせず楽しみに帰宅していた。私も泣いたり笑ったりときめいたりしていた。しかし、最近のドラマは面白くない。先ほど外国の主題歌を採用するとの話があったが、他にも外国の漫画が原作のドラマなどオリジナリティがない。
また、大きな笑い声も若い人には受けがいいと回答されたが、上品ならともかく気持ち悪い。
韓流ドラマは流行っていましたが、よく見ていた人たちに聞くと2回見ればもういい。と答える。理由を尋ねると、登場人物の強い妬みや恨み嫉妬心が描かれていて日本人の感覚に合わず嫌な気分になる。不要になった登場人物は白血病で死んでいく、主人公はヨーロッパかアメリカに留学するシンデレラストーリーという共通があり2回みたら3回目はもういいと話している。かつてのようにオリジナリティあふれるドラマでときめきたい。
返答⇒ドラマのフジとして、ドラマで話題を作りたい。イメージアップをはかり、作品のラインナップの幅を広げていきたい。ターゲットゾーンにあった作品をつくりたい。
在宅率が高いと思われる中高年の女性からの質疑応答の2例にあるように、見た目が汚く、下品な大声にあふれ、ドラマの内容はつまならく韓流ドラマを垂れ流しているということであった。これではゴールデンタイムに家族でフジテレビを視聴したり若い女性がドラマを楽しみにせずネットに移行するのは当然である。あれから1年近くの月日が流れたが、長年君臨してきた日枝会長とフジテレビの黄金時代をささえて一人であった亀山社長がともに退任を発表するに至った。二人の退任がフジテレビの衰退を如実に表しているが、フジテレビが具体的に打開策を講じないかぎり衰退の一途をたどるのは止められないであろう。今年の株主総会は社員のやらせや怒号ないことを願う。
写真:昨日退任を発表したフジテレビ日枝会長(ウィキペディアより)