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【過労死で問題視される電通】2016年3月の株主総会の不安は現実になった。

 2016/10/15 コラム 取材・散歩 株主総会
この記事は約 5 分で読めます。 9,521 Views

先日、新入社員の過労死というショッキングな出来事が報道されてた。本人と思しきツイッターもネットで出回り、その文面を拝見する限り、非常に過酷かつ常識を逸した労働環境に思えた。現在、厚生労働省が抜き打ち指導という事だが、指導に入る姿を堂々マスメディアが報道する事態に、抜き打ちではないだろうと批判もでている。

今年の3月、電通の定時総会が開かれ、私も会場に出向いた。経営陣からの報告のあとに質疑応答があり、昨年は4人程度の質問で質疑応答も時間より早く終わったそうだが、今年は制限時間いっぱい質疑応答がなされた。

今回は一部のスポーツ事業の汚職問題と売国映画のスポンサーへの疑問に関する質疑応答を紹介させていただきたい。(電通の回答は⇒以降、➡は電通の回答に対する質問者の発言。発言内容を変えないよう言い回しは変更して記載。)

Q.1 2015サッカー大会にてアメリカ司法がFIFAに贈賄嫌疑。陸連もドーピングで会長に嫌疑。電通とアディダスの合資会社ISLがFIFAに8億円の賄賂を渡したと2002年にフェクタに掲載されたが、当時の電通T氏はロビー活動の資金提供のみと話していた。これは背任行為にあたらないか。誤報なら法的措置をこうじないのか。

⇒司法からの問い合わせもなく問題ない。司法措置はとらない。

Q.2 東京オリンピック組織委員会の理事に前述の高橋治之氏がいるが、退社後も電通顧問として電通と関わり、現在に至る。電通は彼と繋がっているのか

⇒仕事上の付き合いが生じるのみ。問題や疑念はない。

Q.3 スポーツに纏わる不正は、国内では抑え込めても海外での告白は国際社会においてダメージが大きくないか。スポーツファンへもダメージはないか。コカコーラなど声明を明らかにしているのに対応の差がある。対応を誤ると電通への評価ダウンになるのではないか

⇒電通はスポンサーを獲得する契約をFIFAやIWFと締結しておりスポンサーではないため、現行で問題なし。

Q.4 FIFAへの裏金疑惑にてスイスISLが裁判沙汰になったにも関わらず、司法からの問い合わせもなく問題がないというのはおかしい。

⇒再度内部調査をし、報告する。   ➡次の総会もくるので、その時に報告お願いします。

Q.6 売国奴映画「アンブロークン」は日本人の捕虜看守が捕虜に暴行を加える半日映画。暴力シーンが4割を占める。南京大虐殺の国連へのでっち上げの際に利用されたりしているが、映画の製作費は電通がスポンサーとなっている。映画を視聴したことがあるか

⇒映画を視聴し、反戦映画と捉えている。この映画は2014アメリカで公開され、日本では2/6より49の映画館(東宝などは右翼が怖いと上映拒否)戦争は二度としてはいけないという映画。この映画について、読売新聞は反日を招く、朝日新聞には暴力シーンに違和感、毎日新聞は反戦映画と報じている。ユニバーサルスタジオジャパンにはファンドを通じて投資しており一括契約で個別の案件の可否は無理。直近のアメリカでの興行収益は1位で皆さまにも還元できていると思う。

★ここでやじが飛ぶ。「金が儲かればいいのか。」
➡映画の重要性を認識しているのか。わからないはずはないだろう。内容は把握できないのか。

⇒事前に年間スケジュールを投資サイドはもらえる。   ➡映画の一括契約はやめてほしい。

Q.7 ワールドカップ、リオ五輪、モスクワオリンピック、韓国冬季オリンピックの中止やボイコットのリスクの数値を提示して欲しい。

⇒情勢もありリスクの数値化はできない。リスクはスポンサー企業とともに事後の対応を考えていく。

➡スポーツイベントのプロとしてリスクの計算式がないのは怠慢であり、専門家が必要だ。

大きなスポーツイベントには欠かせない存在の電通だが、闇の深さを匂わす質疑応答が繰り返された。もしも賄賂によるロビー活動をして2020年の東京オリンピックが決まったのであれば大問題である。様々なスピーチに感動した都民、国民はそうでないことを願うが不安もよぎる。株主総会に出席し、不安な気持ちで帰途についた。

株主総会から半年の月日が流れた。都政は舛添要一から小池百合子都知事にバトンタッチされた。そして、都議会も様々な問題が表面化し、東京オリンピックも問題が噴出している。懸念が現実になりとても残念でならない。

今さらながら例を挙げると、既存施設を使用するはずが、取り壊し作った新国立競技場は聖火台がない。オリンピック予算が4倍にも膨らむものの説明もなされないまま、森喜朗委員がふんぞり返り暴言を吐きまくる。委員の人数は増えて会議も170人では行えないであろう。大臣の規定を変えて追加されたオリンピック担当相。この遠藤担当相は森喜朗の子分である。つまり、多すぎる委員で話し合いもろくにできず大臣は子飼いという森喜朗の独裁が可能なのだ。

丸川珠代議員は国家はなく東京都の問題だと発言した。それならば安倍総理が照れながらマリオに扮する必要もなく、美人で度胸もある小池百合子都知事がコスプレをすればよかったであろう。そして、東京都の問題であれば遠藤オリンピック担当相などは不要で、東京都が担当者を出すべきだ。また、資金の多くを負担する東京都がオリンピック委員会を監視する体制をつくる小池百合子都知事は正論であり、森喜朗に文句を言われる筋合いはない。

予算超過であれば、その理由を都民に説明してほしい。最初から無理な予算だったと森喜朗は発言したが、それでは詐欺ではないか。アスリートに過度の負担をかけようと都民も国民も言っているのではない。当初と話が違えば説明することは当然であろう。必要な施設はいいが、無駄な担当相や委員に予算が使われることならば、お断りだ。

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浅野 耀子

浅野 耀子

さざれ石の会の会員として、都内で街頭演説、室内トーク、コラム執筆。
障がい児の親としても、障がいとの共存を模索しながら、子供たちと共に成長を目指す発展途上中の母親。

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