パソナの株主総会見聞録2020~竹中平蔵様のご尊顔を拝する~シャンシャン総会のご報告
検温、アルコール消毒ののち、広い会場に1.5メートル間隔で設置された48席。
頻繁にマスメディアに取り上げられるパソナ。
さぞかし多くの株主が来るかと思えば、当日スタッフ&役員と同数程度、僅か25人程度の株主しか出席せず。
13:00定刻にスタートし、社長の南部氏が挨拶。
社外取締役の森本氏の欠席を告げる。
13:04~11
スクリーンにて事業報告が流れる。
13:11~13
決議事項についての説明
13:14~21(内容を簡潔化し、→以降が経営陣からの返答)
①人材教育について。スタッフの挨拶の姿勢は大切なので、今後も現行のように続けてほしい。
→ご意見ありがとうございます。
②人材派遣の粗利率が回復してきたとのことだが、区役所やオリンピックスタッフなど官や、民間の粗利率を知りたい。
→官民関係なく、社会保険料や有給などを差し引いて営業利益は三割程度。
③ベネフィットワン株の時価総額とパソナ株の時価総額について。
パソナが49%株を保有する、福利厚生代行サービス業の子会社ベネフィットワンは、総会当日2578円。時価総額4130億円。配当利回り0.74%。
対し、パソナは同日1415円。時価総額582億円。配当利回り1.29%。
パソナの株価や配当について不満を表明。
→ワンストップでサービスを提供したい。株価は中長期で、業績と連動する。
13:22採決
13:23閉会
質問はわずか三問しか出ず、様々なスキャンダルを叩きだす会社とは思えない、静かすぎる23分間のシャンシャン総会であった。
会長には、「トリクルダウンなんかない。」「若者は貧乏になる権利がある。」
でお馴染みの大学教授の肩書もある政商納言こと竹中平蔵氏。
南部社長も西村経済再生大臣とも親しい時代劇も真っ青な政商と呼ばれるパソナ。
コロナ対策として実施された持続化給付金は、㈳サービスデザイン推進協議会を経由して再委託という形で、
パソナ、電通、トランスコスモスが大半の委託費を分けた。
パソナも給付金の申請の受付業務を504億円で請け負っている。
経産省の事業であり、疫病による緊急事態宣言までだされた事態での給付金における不透明さに多くの国民が怒りを覚えた。
これらに厳しい指摘をするどころか全く質問がでないことも異様だが、
一切の説明もしなかった南部議長の冒頭の挨拶と事業説明にもあきれるばかりであった。
株主を軽んじたのはそれだけに止まらない。
総会では触れられなかった東京本社の兵庫県淡路島への移転。
8月20日の株主総会からわずか10日後の9月1日の発表であった。
そういや淡路島はあの西村経済再生大臣の選挙区でしたね。
淡路島は大阪から高速バスが運行されており、神戸市の中心である三宮からも高速道路で35分。
高級玉ねぎで有名な瀬戸内海の島である。
関西からスタートし、淡路島で観光事業を展開するパソナ。
南部社長も竹中会長も兵庫県がほこる灘高校の出身の西村大臣にとっても地元感覚があるのかもしれない。
ピンハネ事業による生活苦や、国難ともいえるコロナ禍での業務請負への怒りによりパソナ経営陣への世間の視線は厳しい。
淡路島での観光事業の伸び悩みを社員の福利厚生に利用し、損失を分散させるためではないか。
淡路島はますますパソナアイランドになってしまった。
など、ネットでは声があがる。
庶民の感覚とは乖離したパソナの株主総会。
経営陣にとっては、ちょろい暇人が座ってだけの株主総会。
オリンピック利権を何年も前から糾弾するOBや株主がいる電通の株主総会との違いに驚きを覚えた。
次回の株主総会では物言う株主に多く参加してほしい。
写真:楽天Womanより