【2020株主総会見聞録Vol.3】三菱電機~ブラック企業大賞は返上できるか。来年は創業100年~
国家とともにあると言われた天下の三菱グループ。
その中にはローソンもキリンも日本郵政も東京海上もあり大ピラミッドを形成している。
日本のクフ王ピラミッドか。
その中で唯一ブラック企業大賞受賞の二年連続受賞という不名誉な三菱電機。
ノミネートされた吉本興業や電通を押え堂々の一位。
なぜ?どんな会社を知りたくて株主総会に参加してみた。
ホテルの外に横断幕をもつ人がいた。
彼らはビラでも抗議内容を訴えていた。
2009年の派遣社員の契約途中の派遣切りへの謝罪を訴え、新型コロナ禍の対策や労務管理ならびに雇用を案じる訴えであった。
彼らは、そのことに加え、女性が活躍できる支援や制度、職場風土改革プログラムとパワハラ対策を含めた倫理・遵法の取り組み、
パートや有期雇用の待遇差別の解除、有期雇用からの無期転換ルール、自殺が相次ぐ自殺を責任と今後の対応について質問をすることを表明していた。
アルコール消毒をしてパレスホテルの宴会場の会場に入ると、1.5メートル四方に椅子がかれソーシャルディスタンスが保たれていた。
コロナ対策ということで短時間の株主総会は、10:20~質疑応答となった。(→以降は、経営陣からの返答)
①男性株主より、三菱菱電機のあゆみについて。
②女性株主より、男女共同参画における女性の活躍状況の確認。
→従業員の9.7%3477人で、課長以上68名を含む同クラス611名の3.9%が管理職前年比37名増加。
公平かつ適性での配置で、数値目標はない。
③女性株主より、労務問題について社外取締役の見解と監査委員会としての確認は?
自殺問題にて11月に教育担当者が書類送検され、今年起訴された。
6/1マスコミにて杉山社長は、「企業体質とは思っていない」と発言したが、
2009年の派遣社員ぎり問題でチラシ配り100回、要請40回をしている。が、
社員の表情が乏しく、「チラシは受けとるな」と社員に通告するなど統制されていると感じる。
他社では受け取りが自由であり、人権や人間性において企業として問題外あるのではないか。
→職場改革プログラムにて1月10日に再発防止対策をこうじた。
ハラスメント対策、長時間労働対策、一人一人毎月アンケートにて変化の確認、臨床心理士と調節のやり取りなど。と経営陣。
社外取締役は、管理体制、原因を明らかにし対策、情報開示など。
2019年の監査委員会の状況報告も風土改革、長時間労働、新人の毎月アンケート、原因を聞き、具体的な対策にて再発防止。
と他の経営陣の回答と変わりなかった。
杉山社長「工場や営業所を巡回して意見交換をしてきる。会社としての課題は残っているものの、自分の職場では問題はない。世間に言われるのが残念という意見を耳にしている。」と付け加えた。
④女性株主より、意見。
工場や支店での社長巡回では、本音をきけないのではないか。
本社の社長に社員が本音を語ることはないだろう。
当社の特許は素晴らしいが、中国が飛躍的な申請で圧倒している。
女性活用を考えるのであれば、出産や育児の対策として社内保育園や家事代行サービスなどの具体的な対策が必要であろう。
11:00「あと、お一人」と議長。
⑤男性株主より、質問と提案。
コロナの医療危機に対しての研究開発の予定、密閉空間でのウィルス対策ができるエアコンの開発。
→ポストコロナにむけ検討しているが、具体的な計画はない。
監視カメラの分野にて混雑予測をし感染予防に貢献。ビル内でロボットを効率よく活用し接触削減。
住居やオフィスなどのビルの換気のニーズは高く、空調と換気を連動しての提案をしたい。
11:07「これで宜しいですか?」との議長に質問希望者が挙手し、質問者が追加されることに。
⑥OB株主により、防衛省と同様に不祥事の隠蔽体質が問題であり、情報公開の仕組みを作ってほしい。との要望。
就職活動を控えた身内の大学生から「三菱電機はブラック企業」と言われた。
事実、二年連続ブラック企業大賞であり、就職ランキングも16位から46位に下落。
隠蔽体質は昔からで1990年代にも夜間勤務者の死亡について、所長も上司も社員に知らせなかった。などの体験をもとに訴えた。
→情報公開方針に沿って情報公開をする。社員への情報公開もすすめる。
11:11採決
11:12新たな執行役員と取締役を紹介し閉会。
自殺問題あとの株主総会ということで、労務問題への質問や意見が相次いだ。
参加者は高齢者が多く、一切の怒号もなく穏やかな総会であった。
しかし、具体的な対策が一切しめされず、召集通知にも最後のページに、労務問題と印字してあるだけ、の三菱電機の姿勢に、落胆を覚えた。
なんだろ、このデジャブ感。
コロナ対策で自治体の首長や政府が、アレやってます、コレやってますと言葉だけの饒舌多弁で実態は何がなんだかの、適当にあしらわれている感覚。
新製品がいくら出ようが最後は人だ。
安心して、骨を埋められるような風土があった頃と今の日本は違うだろうが、人は資材じゃない。
頭脳流出はないか心配だ。
【隠蔽】なる言葉が株主から出ていたがキチンと向き合わないとこう言われる気がする。
「貴方は三菱電機で働きますか?」「大切な家族を就職させますか?」
来年は創業100年の慶事があるそうだ。
日本郵政は来年創業150年。
日本の近代史と共に歩んできた老舗名門が労務を問題にされることに、日本の劣化を感じた。
慶事を共に喜べるよう、指摘された部分に心当たりがあるなら改善していただきたい。
追記:
株主総会が集中する6月も残りわずかですが、夏は「株主総会、こんにちは。」は、は何かと話題のパソナを予定しています。
また、ブログにしますので、ぜひお楽しみに。