バカになる小学生~自宅住所も書けない中学生への道~
「試験監督のバイトしたら、住所も書けない子がいて、・・・」電車での会話が、ふと耳に入った。やっぱりね、と心の中で思ってしまった。自分の体験より、住所を書けない小学生や中学生ですら、あり得ると認識しているからだ。
我が家は長男長女を小学校受験の幼児教室に通わせていた。年長になり、面接練習で名前は勿論のこと、生年月日や住所や電話番号を質問された。我が子は、住所がきちんと言えず、電話番号は母親の携帯番号を答えた。当たり前だ。私は住所を暗記させておらず、子供に覚えさせていたのは私の携帯番号だったからだ。
この事で私は理解した。私学に通うことは、親と離れ遠距離を通える児童でなくてはならず、自宅の場所や自分の誕生日も月日だけでなく何年生まれかまで言える必要があり、入学までに公衆電話を使えるよう練習をさせる必要もあることを。携帯電話の普及により激減した公衆電話を使う機会は少なく、あえて利用しないと子供は使い方を知らないのだ。私は気が付かなかったことを恥じた。
個人情報の保護と言われ、今の子供達は自分のことを他人に言わないよう育てられている。用心することは大切だが、親が付き添わず一人で行動するには自宅や自分について把握していなければならない。有事に助けも求めるには公衆電話が利用できることも必要なのだ。
入学前に子供に自宅や自分についておしえるのは親の務めである。私自身、幼稚園児や小学一年生のころ、母親から名前と自宅電話番号を記したペンダントを身につけて遊びにいかされたことを思い出した。「迷子になったら大人に見せなさい。」そう言われて友人宅や公園に遊びに行ったことを思い出した。入園前にデパートで和式トイレの練習をしてもらったので、トイレ訓練はさせてきたが、自宅情報は失念していた。和式トイレや自宅情報などを意識してくれた親には今さらながらも感謝の思いが込み上げる。
塾に通わせ、テストを受けさせるよりも前に親としてやることがある。自宅情報を覚えさせ、公衆電話、和式の公衆トイレが使えるよう男女ともしてから入学させてほしい。そして私学や習い事で交通機関を使う場合は、携帯トイレや簡易防寒シートをランドセルやカバンに入れて欲しい。勿論、使い方も教えて自宅で利用させてほしい。災害大国日本、いつ何があるか分からない。子供を一人で行動させる前に、今一度考えて欲しい。