【しんぶん赤旗2017.10月号外】内政はナショナリズム?
以前ならば「共産党?」と嫌悪感で触りたくもなかった赤旗。最近は面白い記事もあるので自宅ポストに入っていた号外に目を通した。
勿論、今回の号外は選挙一色。(紙面をご覧になりたい方は動画にて表裏を紹介しているのでそちらをご覧頂きたい。)まずは表面から内容を確認する。
・憲法こわし 戦争法の強行⇒護憲の表明とその理由を書いてあるが、戦争法という表現はよく分からない。改革派のはずで、アンチアメリカの共産党が護憲なのは毎度のことながら笑ってしまう。日本共産党こそ、アメリカの作った憲法を改正と叫ばないことは不思議で、日本共産党は憲法において保守である。
・沖縄、原発・・・民意ふみつけ⇒米軍基地に反対するならば代替案をだすべきであるが、反対のみで小学校低学年の学級会の発言レベルで止まるため国民からの支持は得られない発言だろう。原発に関しても代替案が具体的でなければエネルギー安全保障の観点から先と同レベルのため、真のエネルギー問題を語る前に、嫌気がさしてしまう。そして国際ルールにおいて国同士の条約や協定は国内法より優先されるので、米軍基地については反対と叫ぶので何も解決せず、与党であればどうすべきかとの視点の欠落がリアリズムに欠ける。
・格差を広げたアベノミクス⇒消費税が個人消費を冷え込ませること、貧富の差を是正するというのも税金の役目であるため逆累進課税たる消費税が格差拡大というのは誰でもわかることであり、左右の思想とも無関係なことであり正論だ。共産党は財布目線でこのことをしっかり訴えるべきだと思う。
・「モリ・カケ」隠し 国政の私物化⇒政局と捉える有権者も多いが、これは国家戦略特区による国会軽視と民主主義の否定の問題である。これは左右関係なく、国家戦略特区とは何か、内閣府の諮問機関の実績を提示し、私的なワーキンググループにより法案が出され通過する実態の周知がすべきことであろう。隠したく追い込まれての解散であると私も捉えているが、特区について国民に周知させせなければ野党の政局づくりと有権者は思うだけ終わってしまう。
裏面は、「教育・子育て」を口実に10%!?消費税増税とんでもない、との見出しから始まる。
私はこの点は全面支持だ。2%UPで5兆円の税収が見込まれるが、そのうち3兆円は国債の返還予定だと安倍総理は発言している。半分以上借金返済なのに、子育て・教育を口実にするのは詐欺トークに近い。民進党前原代表は全額子育て・教育に充てると代表戦で語ったが、増税ならばこちらのほうがマシでありトークに偽りなしとなる。自民、公明の増税と、希望の凍結を踏まえ、STOPは最善であろう。できれば、デフレ終了のために廃止を目指すと踏み込んでほしい。
4つのチェンジは、財源・予算・働き方・地域経済を掲げているが、予算の一部を除き、有権者の多くが賛同するものであろう。
・増税は富裕層、大企業からというのは税は富の再分化機能があり中間層を富ませデフレ脱却のための最善であると思う。
・予算は大軍拡にメスと意味不明なコメントが実態とも合わず(GDP1%予算が慣例でデフレのため増額は不可能)アウトだが、社会保障、教育、子育ての予算確保の姿勢は正しい。年金カットも医療・福祉の予算抑制もデフレ脱却政策の真逆ゆえ、経済の観点からも財政出動が必要である。
・8時間働けばふつうにくらせる社会も、ワーキングプアや派遣会社によるピンはね、過労死という若者酷使体制の現状打破のためにまっとうな言い分である。
・中小企業・農業を応援し、地方を再生というのも断固支持する。道州制であらそうのではなく、支えあい災害も日本全体で乗り切らねばならない日本。胃袋を大切にすることは生きていくために欠かせず、農業を国家が応援する姿勢は先進国は皆行っている。日本は予算も少なく、種子法廃止など金儲けの理論がはびこる昨今に是非声をあげて欲しい。
このチェンジだけならば日本共産党は無党派のこころをつかむだろう。しかし、後半の共産党らしさが無党派から避けられるゆえんだ。憲法9条と北朝鮮対話である。憲法は9条だけでなく、法治国家たる日本で護憲も改憲も日常生活に影響はない。そこをツバを飛ばして喚くから不気味に思われるのだ。北朝鮮は拉致被害者が救出されず、対話は軍事力があってこそという世界の常識があり軍事の全面否定と経済制裁のみという姿勢は無党派の心をつかむことは厳しいであろう。
内政は国益に叶い、保守的で支持するものが多いが、万年野党のためか外交に関しては非現実的で国益に反するものが多いと私は感じた。共産主義はグローバリズムゆえ、ナショナリズムの内政方針には不思議だが保守の私は支持する。外交姿勢は個人的には受け入れにくいが、是々非々で日本共産党の話にも注目したい。
写真:赤旗HPより(赤旗日曜版一面)