【預金できない若者たち】派遣社員・教育ローンは他人事ではない
「若者の6割が預金がゼロなんだって。」ぞっとする台詞をサークルのお姉さまはつぶやいた。そういえば、知人のコンビニでアルバイトをしていた大学生が3年次に月謝が払えないと自主退学したといっていたことを思い出した。
数年前、某新聞には大学費用は自宅から通う場合でも平均700万円以上かかる。親は無理なく学費を払うためには、入学までに500万円預金をしよう。という内容の記事が掲載されていた。その記事を読んだ時から、私は具体的な預金目標を掲げ、教育費預金に励んでいる。500万円×子供の数なので多額の金額だ。その預金も厳しい金額だが、その準備ができたとしても年間50万円以上の支払い、交通費、教科書などの諸費用と思うと正直捻出できるか不安で仕方がない。
正社員の夫がいる我が家でも捻出が厳しい状況である。派遣社員などではさらに厳しい状況が予想される。ましてや、社会にでる前の学生が教育ローンを組むのはどれほど不安な思いをするのだろうか。就職し結婚してからも払い続ける教育ローンの実態。返済期間や金額、金利は各銀行により異なるがお手軽に借りられるものではない。返済期間も16年との記載の銀行もあり22歳で卒業してから支払うことを考えると完済の38歳までは結婚や出産年齢の時期とも重なる。卑怯だといわれるかも知れないが、借金つきの男性との結婚では、私はためらってしまう。自分の子供が産みたいし、我が子の教育費を考えた時に夫の教育費も負担しながら・・・と考えると結婚をためらったり、出産をあきらめるか、一人しか産めないなど、色々考えるのが一般的ではないかと思う。若者が自分の教育ローンを組むことは、結婚すら不利にしかねないことなのだ。もちろん返済のため、預金ができない。
昨年、安倍総理はマイナス金利について、「住宅ローンを組むのにはいいのではないか」という旨の発言をした。どこまでも分かってないことがよく分かった。住宅ローンは最大35年間という長期にわたる返済の借金だ。審査もあるし、公務員や大手企業といった人は難なく審査が通るが、一般人は違う。我が家がローンを組んだ際は正社員でも3年間の源泉徴収票が必要だった。勿論、住宅ローンをくめない人もいるのだ。派遣社員はさらに審査が厳しいだろうし、パートやアルバイトでは審査が通るのだろうか?住宅ローンを組めること自体がいまや勝ち組なのだ。そもそも組めない若者が増加しているのに、金利が下がったら国民みなが組みやすいと勘違いする総理大臣とはなんなのだろうか。新規購入ではなく、住宅ローンの見直しにしかならなかったであろう。
正社員は既得権益だと言いがかりをつけた小泉進次郎やパソナ竹中平蔵。派遣会社で派遣労働者の上前をはねる奴隷商人たる竹中平蔵は、国家戦略特区で農家に外国人を派遣することでさらに利益拡大を狙っている。農協いじめが止まらず、種子法廃止や農業競争力強化支援法を国民に説明もせず通過させた立役者の小泉進次郎は、代々のカバン・看板・地盤の既得権益を享受しながら、国民の胃袋よりも外資に日本を切り売りする売国奴である。
商売人が汚いのもセコイのも、個々の品性の問題だ。しかし、政治家が自分のための利権屋では困る。卒業前に教育ローンという借金を背負い、社会にでても返済が重石になっている若者。正社員も既得権益と言われて派遣社員で竹中平蔵らから搾取され、預金などできるわけがない。若者が消費しないというが、しないのではない。消費できないのだ。若者を借金漬けにし、労働は搾取付き、預金も結婚もできなくする政策はおかしい。
経済とは金儲けのことではない。経世済民である。英語とわめく前に、日本語学ぶべきであろう。
写真:三菱東京UFJ銀行のHPより(本文の内容とは直接関係はありません。教育ローンの一つです。)