TPPで味覚の秋も遺伝子組み換え???
朝晩の蒸し暑さから解放されるこの頃。食材にも秋を感じる。スーパーの鮮魚コーナーには国産の生サケが並ぶ。サケは日本人に特に人気のある魚の一つで、1年中手に入れやすい魚だ。しかし、塩サケが大半で輸入品も多く、日本の生サケはこの時期だけゆえ存分に生サケを堪能したい。
日本ではサケと言えば、北海道であろう。輸入サケというとチリ産の塩サケやノルウェー産のサーモンを連想するだろう。
先日、友人がアメリカにてメインがお肉ではなくサケのBBQをしたという話を聞いて驚いた。アメリカは牛肉というイメージがあったのだが、場所はシアトルでカナダ国境にも近く北海道と同じようにサケが遡上する姿を見ることができるらしい。シアトルは港町で、新鮮な魚が毎日市場にならび、港のすぐ前にパイク・プレイス・マーケットという市場がありシアトル観光の目玉の一つという話だ。
また、シアトルには「グレートノーザン鉄道を父とし、 日本郵船を母とする。」という言葉があるそうだ。 グレートノーザン鉄道はシカゴを起点としてシアトルまで結ぶ大陸 横断鉄道で、 シアトル港の先にはかつて日本郵船による北太平洋航路を通じて横 浜や神戸と繋がっていた。そのため、戦前は日本人街もあり、 今もその名残を見ることができるそうで日本とつながりの深い街であることを知った。
ところで、日本は世界で最も多くサケを輸入している国である。昨年アメリカで遺伝子組み換えのサケがアメリカで食品として流通を許可されたことを皆さんはご存知だろうか。アメリカで認可されたということは、遺伝子組み換えが世界的に流通する日が到来することが予想される。それは日本に遺伝子組み換えのサケが輸入される日が近づいたということである。
TPPは加盟国のルールを揃えなくてはならない。ということは、現行の遺伝子組み換えの表示義務はなくなるだろう。遺伝子組み換えについての表示が貿易の障害になると見なされれば、その表示すらできないのだ。
遺伝子組み換えの表示は、大豆やとうもろこし等の野菜類だけではなくサケでも問題になるのかと恐ろしくなった。大好きなサケを安心して塩焼きにしたり、ムニエルにしたり、ちゃんちゃん焼きにしたり、これは贅沢な願いだろうか。