おもてなし?【焼・き・こ・ろ・し】になる真夏オリンピックは返上せよ
お・も・て・な・し。滝川クリステルさんによる台詞と手の仕種は小学生も真似をするほどブームになり、ご記憶の方も多いだろう。私も指ではなく手で表現する(指で表現するのは望ましくない印象を与えるそうだ)の裏話や感動秘話にオリンピックの期待に胸躍らせた。
しかし、最近は返上してほしいと願うようになってしまった。オリンピックにより周辺のインフラ再構築による経済効果、そして国民が心を一つにする、そのような観点からも私は支持してきた。インフラ構築も高速道路などではなく明治神宮周辺が三井不動産と共同開発という名目の自然破壊が予定されており、予算も根拠もよくわからないまま乱高下をし、バッハ会長にまで口出しされる有様で嫌気がさしてきたのである。
スポーツに関心がないのかと言えば逆である。私は幼いころよりスポーツ観戦が大好きで冬場は父親と2時間以上かかるフルマラソンのTV中継を好んで視聴していた。勿論、お正月の楽しみは箱根駅伝である。ゆえにオリンピックも楽しみにし、我が子が間近で体験できることも心待ちにしていた。歓迎ムードも現実に移行すると杜撰で詐欺にあったような気分であり、真夏にアスリートを競技させるのは危険ではないかと危惧するよう気持ちが変わったのである。
かつての東京オリンピックは秋であった。現在の東京は、最近の状況でも湾岸地域に高層マンションが立ち並び、風向きが変わった。かつては見られた雷が見られなくなった地域など、気象変化もみられる。またアスファルト舗装が進み、都心の真夏は灼熱地獄だ。犬の散歩も乳幼児の散歩のさける時間が昼間なのである。(犬は肉球をやけどするそうだ。)そこでアスリートが競技することはどうなのであろうか。おもてなし、と言って誘致しても焼き殺しにしか思えない。熱中症や脱水が非常に心配される。観戦者も警備の人間もだ。
秋に変更できないのであれば、東京オリンピックは返上すべきだ。返上ができるはずもないと思われる方もいるだろうが、過去に実例がある。1970年アムステルダムIOC総会において選出されたアメリカのデンバー市の1976年予定だった冬季オリンピックである。返上理由は、自然破壊と経済的理由だ。1972年の住民投票により反対が過半数ごえになり、同年11月にIOCに対して大会を返上したのだ。(デンバー市はコロラド州にあるロッキー山脈麓の100万人の都市)決定当初から反対運動がおこり、住民投票により返上に至ったのだが、今回の東京オリンピックも他人事ではないだろう。予算は乱高下し、明治神宮の周辺の再開発という自然破壊(三井不動産との共同開発)、加えて真夏の灼熱地獄である。東京都は豊かな財源だが、周辺の自治体は事情が違う。国を挙げてのイベントで国が予算を捻出するなら可能であろうが、そうでないので反発が自治体から上がっているのだ。予算、自然破壊、灼熱地獄、これをクリアしなければオリンピック返上が妥当であろう。
日本の国家意識と連帯を再確認し、インフラ投資などの経済効果を期待していた私は現状が非常に悲しい。