【株主総会・三菱商事】社外取締役もクローズアップされる傾向に・・・

ひと昔前まで、12時前に終わり拍手だけだった株主総会。近年は食べ物関連近業では女性株主を意識したランチで製品アンケート方式の株主総会。
今回は大企業の株主総会が重なる6月23日㈮の三菱商事の株主総会に出席した方のお話を伺う機会に恵まれたので、皆様にもご紹介したい。(同日は、東電、NECなど他社の株主総会も重なり、東電の株主総会では東日本大震災依頼、場外での街頭演説もさかんで、本年はドイツのメディアも取材したと聞いている。)
株主総会といえば、何をするの?というのが普通の国民であろう。株なんて無縁の世界で、株主総会なんて関係ない。
基本的な流れを話せば、社長か代表者のあいさつに始まり、事業報告、議案の提案とその承認を得るための総会である。承認前の質疑応答の時間がこの数年長くなっているのが各社の傾向である。不祥事などがあればこの質疑応答に怒号が飛び交うということになる。
勿論、メインは議案の承認でインターネットなどで予め必要な数は抑えてあるのが通常だ。当日の会場では賛同者は拍手をおくり、多数決で承認されることになる。
様々質問があったようだが、今年は社外取締役についての質問がでた。三菱商事の特徴でもあるが、取締役はプロパーばかりである。社外取締役にもプロパーがいるほどで、組織の三菱を感じさせる。
社外取締役は客観性と経験を買われて取締役に着任することが通常だ。しかし、よくわからない。出身などの経歴が並べられても??。今年の株主総会では、経歴ではなく実績を知りたいとの声があがったそうだ。もっともな話である。兼任も容認されながらも、多額の報酬を得る社外取締役。経歴だけでを並べられても株主は判断しようがない。実績を見込んで社外取締役に起用されたのであるから、実績を求めるのは当然のことだろう。
これは他社にも言えることだ。経験、客観性という曖昧な紹介で社外取締役を紹介され、納得がいかないことが多い。
電通の株主総会にて新規取締役は、労務管理のスペシャリストであろ経歴の女性であった。冒頭から、新入社員の自殺とデジタル広告の不正の謝罪から始まり最後までこだわった株主総会、と勘違いしたが、労務管理のスペシャリスト取締役はなんと欠席。さすが社外取締役である。
HONDAの株主総会では昨年からの再任候補の社外取締役は、花王デモ(日本たたきの広告を海外で行い2011-2014に主婦のデモならびに不買運動が起きた)の責任をとって辞めた社長が居座る事態に。
海外では社外取締役についても十分調査が行われるそうだ。しかし、日本は企業も株主もなあなあである。高額の報酬に加え、社運を握る社外取締役。日本の企業の敗退は社外取締役、とささやかれるほど、調査もそこそこの危険人物が多いのだ。
この度の三菱商事の株主総会にて社外取締役への質問がでたことは大いなる意味があることだろう。さすが、商事の株主、とエールを送りたい。企業の命運を預かる取締役は、社外取締役であれ社運を担う人物である。総会に欠席したり、実績が不明な人物はふさわしくない。さすが、天下の三菱商事の株主。時流を読んでいらっしゃると感じた。
写真:今年の三菱商事の株主総会のお土産