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札幌五輪、大阪万博、横浜花博~時代錯誤の三都物語~【横浜花博予定地見聞録】

京都大阪神戸の三都物語

バブル期の1990年に開始された平成のJR西日本のキャンペーン

1990年は、前年に初の消費税3%が導入されるも、まだバブルに沸いた余韻が漂っていた。

あの当時、子どものおもちゃや学用品に税金をかけるな!という主婦らが怒っていた映像の記憶がある。

 

~あれから30年~

バブルが崩壊したどころか、買いまけで、農畜産物の化学肥料がかえなければ世界一餓死者がでると危惧される令和の日本。

令和の今、新たな三都物語がある。それも時代錯誤も甚だしい夢物語が。

 

『札幌・大阪・横浜』令和の三都物語の横浜花博を皆様に紹介したい、と思う。

 

私ごとで恐縮だが、私は5代以上前(開国前)から横浜で生まれ育った生粋の『はまっこ』を自負している。だから、横浜花博が気になって仕方がない。

いくつになっても気になる『ふるさと』は、皆様にもあるだろう。

 

北の札幌と西の大阪の中間に位置する横浜

首都東京に隣接するこの地域にも、大型イベントの企画があるのをご存知の方は少ないのではないだろうか。

 

菅前総理のお膝元の横浜市

カジノ誘致と横浜花博2027が企画され、市長のリコール運動や住民投票条例を求める署名活動が盛り上がり、カジノ反対派の市長が2021年に当選したベッドタウンである。

 

港町のイメージの横浜市だが、みどり税が住民に課せられ緑化対策にも力を入れ、緑も豊かな地域でもある。

近代的なビルがそびえ立つみなとみらい地区や中華街だけでなく、近郊農業が盛んな地域もあり、のどかな風景も広がるのが横浜市なのだ。

 

この緑豊な地域にも米軍の通信施設があり、2015年に返還された。

翌年2016年、跡地にテーマパークの計画が持ち上がるもとん挫したあとも、1500万人の来場が可能だと豪語する横浜花博2027にむけ、動いているのだ。

 

来場者の指標だが、日本一の集客を誇るテーマパークのディズニーランド。2021年度の集客数は650万人で、ディズニーシーと合わせて1205万人である。

コロナ以前の2013年から2018年は、二箇所で3000万人超の来場者数であり、コロナ以前のディズニーランドの年間来場者数は1600-1700万人程度であろう。

 

それに匹敵する来場者数が花博にくるというのだろうか。

通信施設跡地は相鉄線沿線の瀬谷駅から2キロメートル、徒歩40分のところにある。

瀬谷駅の改札を背にして左のイトーヨーカドーの横から路面に降りる。

イトーヨーカドーを右手に進むと401号線にでる。左折して進むと環状4号線(海軍道路)との交差点があり、そこを右折する。

JA横浜、瀬谷西高校を左手に眺め、環状4号線に10分以上すすむ。駅から15分以上あるくも、大通りにもかかわらずバス停は皆無だった。

立派な桜の木がちらほら見えるようになると、右折し、直進した先が通信基地跡地である。

見渡す限り、広大な草原が広がっていた。

真新しい発掘調査の看板があるものの、調査終了予定日記載のみで、開始日は不明で、人影や作業風景がなかった。

さらに歩くと、国有地であることを示す看板があり、重機と作業員の姿がみえた。しかし、発掘作業は行われているようには見えなかった。

その先にも立ち入り禁止の看板があった。環状4号線を背にして左手が通信基地跡地で、右手方面には聖マリアンナ医科大学横浜西部病院がある。

左方向より住民らしき人が歩いており、通行可能な場所を散策してみると、竹林や広い草原が広がっていた。

 

テーマパークの話がでた当初、中核企業とみなされていた相鉄グループは、早々に横浜花博2027から手を引いた

小田急線と交わる海老名駅や湘南台駅。乗降車数が神奈川県トップの横浜駅など相鉄グループには他に投資する案件がいくらでもあるのだから、当然の判断であろう。

 

また、鍵である駅からの新交通手段を打診した第3セクターのシーサイドラインは、打診を拒否した。

駅から平らとはいえ、バスもなくタクシー利用では、マイカー利用以外来場は見込めないだろう

 

このような状況で、誰が投資するのだろうか

 

2番手は北の札幌五輪

東京五輪の2020が逮捕者祭りとなりスポーツの祭典ではなくスポーツ利権であったことが明白になった。札幌五輪の誘致は国民感情からも世界の常識からも厳しい目が向けられているのだ。

 

ラストを飾るのは、イケイケドンドンの維新の会が圧倒的な人気を誇る西の大阪

大阪・関西万博2025とカジノ誘致にむけて邁進している。

 

大阪·関西万博2025は、コロナ禍による赤字や資材などの高騰をうけ、大阪外食産業が食のパビリオンから撤退を表明している。

 

カジノ誘致の夢洲の整備費用も赤字の大阪にとり小さくなく、地盤の緩さは生命の危機にも繋がる重大な問題である。

 

話を横浜に戻そう。

横浜市は2009年開国際(地方博覧会)で大失敗し、中田宏市長が引責辞任した。

 

人口が多ければテーマパークは成功する。わけではない。

観光客がおしよせる鎌倉市と人口が多い横浜市の間に、かつてドリームランドというテーマパークがあったが、今や影も形もない

 

国を挙げての大型イベントのミニ版を繰り返す、地方の加齢臭漂う老害政策

 

横浜花博の予定地である通信施設跡地の利用については、先の市長選挙の際、田中康夫候補がレスキュー拠点を提案した。

道路網の観点から横浜市のどちらにも車でいきやすく、広大な土地でもあり、最適である。との見解であった。

 

大学病院も近いことから、遊びにくる子どもや孫も楽しめる公園をそなえた老人施設人口過密で不足している火葬場、など少子高齢化に必要とされる用途はいくらでもある

空き家問題が深刻な昨今、大開発をして跡地にマンションをたてる必要のある場所とも到底思えない

 

たった2週間のために逮捕者と大赤字をだした東京五輪2020

北海道新聞によると、住民の7割が反対する札幌五輪。そのうえ、新幹線も屈強な岩盤に阻まれ、開通の目処もたたない

スポンサー企業やグループ、団体が撤退や協賛拒否という大阪·関西万博2025、横浜花博2027

 

横浜花博2027は、横浜市民や地域にとり有益にならないどころか、赤字とガラクタを積み上げ記憶にすらない開国際同様に黒歴史になるであろう。

 

アイキャッチ画像:SAKISIRU西谷ライター様撮影より

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浅野 耀子

浅野 耀子

さざれ石の会の会員として、都内で街頭演説、室内トーク、コラム執筆。
障がい児の親としても、障がいとの共存を模索しながら、子供たちと共に成長を目指す発展途上中の母親。

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