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命の水、土、そして種子。議員立法『主要農作物の生産振興に関する法律案』

 2017/11/22 コラム 取材・散歩
この記事は約 4 分で読めます。 1,147 Views

当会も食糧安保を訴え、種子法の廃止について反対の声をあげてきた。先日、栃木県で行われたシンポジウムについて、安田美絵さんのブログに記載があり、とても素晴らしい内容なので、2回に分けて紹介したい。

☆~☆安田美絵さんのサイト「ルナ・オーガニック・インスティテュート」の中のブログ記事より(安田さんには、今回の転載の承諾を頂き感謝申し上げます。)

☆2017.11.19、栃木県上三川町の「有機農業推進フェア」において、元農水大臣の山田正彦氏、NPO法人めだかの学校の中村陽子氏などを招いて、 「シンポジウム―種子法廃止の意味と議員立法『主要農作物の生産振興に関する法律案」について-』が開かれました。
「サルでもわかる種子法廃止」の中でも書きましたが、来年4月の廃止が決まった主要農作物種子法は、都道府県に稲・麦・大豆の奨励品種の選定と種子の生産を義務付けるもので、これが廃止されてしまうことで、安定的な種子供給が確保されなくなる恐れがあります。
この問題に関するシンポジウムにはこれまで何度か参加してきましたが、県の農業試験場に勤務されていた山口正篤氏から、実際の業務の詳細や役割について伺えたのは新鮮でした。

種子法が都道府県に課している「奨励品種の選定」という業務の重要性を山口さんは強調されます。
奨励品種を決めるには、予備試験→本試験→現地調査→食味調査という段階があり、全部で7~8年から十数年の時間がかかるとのこと。
栃木県が全国でもいち早くコシヒカリを奨励品種としたのは今からちょうど60年前の昭和32年。そもそもは収量が高く、また寒い地域でも育つことから、標高の高い那須高原などでも大丈夫、ということで採用されたそうです。コシヒカリは現在の栃木では10アール当たり7~8俵から9俵くらい採れるそうです。
ところが昭和50年代には麦畑から飛んできたヒメトビウンカによって稲に縞葉枯れ病が蔓延し、収穫が10アール当たり3俵にまで落ち込んでしまったといいます。
そのときに決め手となったのがホシノヒカリという新品種。それを奨励品種として導入したことで病気の蔓延が止まり、かつ収量も上がって、麦跡の栽培(一般的には収量はやや落ちる)にも関わらず、十一俵/10アールという記録まで出たほどだったといいます。
このように奨励品種の選定は、地域の稲作を支えるうえで大きな役割を果たしているのです。

また、タネの生産がいかに繊細さが必要とされる作業か、ということも語られました。
ある品種のタネを生産する際に、他の品種のものが少しでも混じってしまうと大問題になるといいます。1%混じっても、10アール当たりでは一千本となり、とても許容できるレベルではありません。ナスヒカリという地域の品種にコシヒカリが1%程度混じってしまったことがあり、そのタネはすべて廃棄処分にされたとのこと。
異品種の混入は0.01%以下という厳しい水準が要求され、それを達成するために、稲穂の管理は大変な神経を使う作業だそうです。

また、別の年にはタネの生産方法に問題があったため、発芽率が著しく悪くて大問題となったこともあるといいます。

種の生産を民間に委託した自治体もありましたが、結局うまく行かずに、また県がその業務をやるようになった、という話もあるそうです。

県が自分たちの農業試験場で開発した品種を奨励品種として選定することが、民間の業者が開発した稲の品種の販売を阻害している、という批判が一部にあります。しかし山口氏は、民間の業者がつくった品種を無視しているわけではなく、平等に試験をした結果として、よくないから選んでいないだけだ、といいます。みつひかりという品種は収量が多いというふれこみですが、大量の肥料を必要とし、肥料がなければ収量は増えない、味もよくない、だから検討したけれど、採用しなかったのだそうです。☆

農場試験場に勤務されていた方の話を交えたコラムの内容は私にも新鮮であった。民間を圧迫すると批難されがちだが、民間は利益を重視しており、都道府県はその立場ではない。そして、これは税金を使って行われている国民の財産なのだ。種子法廃止だけではない。その後成立した、農業競争力強化支援法がにより、国民の財産たる種子や苗の知見は外資を含めた民間企業にただで提供されることになることも大きな問題なのだ。

安定供給と私達の財産の垂れ流しの危機、民間は善で公は悪と言うプロパガンダに騙されず、皆さんも考えて欲しい。種子は命の源である。

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浅野 耀子

浅野 耀子

家事育児が苦手なマイペース専業主婦で、息子と娘の母親。
さざれ石の会会員として、都内で街頭演説、室内トーク、コラム執筆。
中学PTA役員、小学校保護者の学年会計、幼稚園前役員&現新体制移行担当、地域の環境事業推進委員、ボーイスカウト家族会役員。

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